海へ行く前に / Before going to the sea

TRAVEL

夢と現実、家具を求めインドネシア・中部ジャワへ。

台北を経由しスマランへ到着する。新築されたばかりの小ぎれいな空港から街中へと行くと、コロニアルな雰囲気漂う建築物が立ち並び、そこにはリノベーションしたカフェやこれからの新しい風を感じる世界が広がっていた。

今回の目的地は、さらに車で二時間半ほど走った家具の街Jepara。かつて家具の街として世界中からバイヤーが往来していたという話を聞き、実際にその世界を見てみようと今回の旅が始まった。その道中、インドネシアならではの気になることが目に入る。『河川に流れる水とゴミ』噂には聞いていたが、本当に川には大量のゴミが浮かぶように流れていた。川の流れというよりは、ゴミの流れ。以前、バリ島に行った時にも見た光景だが、ゴミ問題はかなり深刻で衝撃的な景色として目に焼きつく。

スマランの街・コロニアルな雰囲気の建物群と舗装前の道路

そんな風景を目にしながら、格段に便利になったgoogle mapで自分たちの位置を追う。
常に現代人である限り、テクノロジーの進化には感謝し、人類としての問題と向かい合う。

もうすぐジェパラの街だ。道路の両脇にはインドネシア家具が山積みにされている街並みが続く。期待に膨らむジェパラの街にようやく着くと、世界中のバイヤーが往来しているという噂とは程遠い人通りのなさ。カフェにも、人は一人も座っていない閑散とした街だった。リーマンショック以降、ヨーロッパからのバイヤーも企業も離れ、仕事も激減し今に続いているということだった。それでも山間の村では立派なカウンターや椅子を作っている職人が沢山いる。世界的な需要がなくても、急成長中のインドネシアの国内需要は相当なもののようだ。

ホテルのカウンターを製作中。なかなかワイルドですね。
私立小学校なのか、屈託のない笑顔で挨拶をしてくれる子供達とすれ違う。

家具工房は、明暗が分かれ仕事が全くなくなったところも数多くあるそうだ。家具を作れる優秀な職人も、大きな工場や出稼ぎに出て、村から減少しているとの話だった。経済とのバランスは、世界中で何かしら問題が起きている。大量の森林伐採など自然とのバランスも然り。

それでもこの村は、緑が多く、家には前庭があり、果樹が植わっている。家屋の前には、ご自慢の椅子が二脚ほど置かれているのがスタンダードな様式のようだ。そこに座り何やら楽しげに話をしている。日本では見ることのない豊かな時間だなとこの旅で一番印象に残った光景だった。

たった数日間では、結局一部の事や人にしか出会うこともない、だからこそもっとゆっくりとこの村に滞在し、家具職人と対話をし、何か面白いものを作ってみたい。

ただ僕的な問題もある。このビールの喉越しがたまらない暑さの気候であっても、宗教上、お酒はタブーな国である。これが懸念事項でもあり、西洋人のバイヤーが撤退した理由でもあるような気がした。

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