海へ行く前に / Before going to the sea

Dialogue

沖縄・北の果てで出会うウミガメのあかちゃん

2021年夏の夕暮れ時に、いっぴきだけ一生懸命に海へと向かうウミガメのあかちゃんと出会った。
辺りを見回しても、他にはウミガメの赤ちゃんはいなく、一心に、ゴミやら石を乗り越え、海へと到達し、あっという間に波と共に消え去った。
危険な地帯を乗り越えるために、生まれたばかりのカメは、フレンジーという言われ、危険地帯を抜けるまで覚醒状態になり明るい方向へ向かう一心不乱に進む習性があるという。

なんとも生きるための力強いパワーを感じた。

2022年8月、 そろそろかなと思い沖縄北部の海辺へと車を走らせた。満月の日。
夕暮れ時、浜辺には人影はなく、ウミガメ産卵調査のフラッグが目につく。
親ガメが、海からあがってくる痕跡も砂に残っていて、産卵した場所には、前日の日付が書かれていた。
一回で100個以上産むそうで、なんだかその帰りの足跡は、気持ち軽くなっているように見えた。

今年もたくさんのウミガメ が浜に来ているようだ。漂着ゴミも去年より減っていた。

この日は、子ガメには出会えなかったけど、なんと産卵した場所をじっと息を潜めて見ている生き物がいた。
出会ったのは口先から、ペロペロと舌を出すアカマタ(蛇)だった。
産卵場所で、子ガメが出てくるのを待ち構えているようだ。
そこに書かれた日付は8/8。 おそらくそこから出てくるのは、2ヶ月後というのは、アカマタにはわからないだろう。こちらの気配に気づいて、すうっと藪の中へと消えていった。

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